現在の日本の住宅では主にモルタル壁とサイディングが外壁材として使用されていて、いずれの外壁にも定期的な塗替え工事が必要です。
塗替えをしないで放置しておくと、劣化した部分から雨水が浸透して家の寿命を縮めてしまいます。雨水が家の中に入り込むと、構造体である木材などを腐らせるだけでなく、湿気を好むシロアリが進入すると、木材を食い荒らされて突然家が崩壊する恐れもあります。
外壁塗装が必要ない素材には、タイルやレンガがあります。
タイルは、石や砂、粘土などを高温で焼き固めたもので、自然界に存在する無機物であるため、雨や日差しに強いという特徴があります。基本的には塗装の必要はなく、耐用年数は30年ともいわれています。
ただし、タイル自体には塗装が必要なくても、タイルを接着する素材や目地に使用される材料は水分を吸って劣化していくため、その部分の補修は必要となります。
レンガは泥や粘土を高温で焼き固めたもので、耐用年数は50年以上ともいわれています。水を吸い込まないため水の膨張によって割れることもなく、温度の変化にも強いことから伸縮することもありません。
しかし、レンガの場合も目地に使用される素材のメンテナンスは必要です。
日本での使用はほとんどありませんが、樹脂系サイディングも、外壁塗装の必要ない外壁材で、プラスチックの一種である塩化ビニルで作られています。つなぎ目がないサイディングを選ぶと、目地がないため補修する必要はありません。
ただし、20〜30年が経つと弾力が失われて割れやすくなるので、メンテナンスが必要になります。
完全に塗装が必要でないわけではありませんが、ガルバリウム鋼板もメンテナンスフリーとされる外壁の素材です。耐久性に優れ屋根にも使用されていますが、15〜20年で塗装した方がよいといわれています。